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DACグループ思い出リレー #3 石崎智一郎編<後編>

前編では石崎さんが現場にいたころの上司や部下とのエピソードを語っていただきました。今回は名古屋転勤、そこから東京へ戻ってきてから転機となった出来事についてです。


転機ー。名古屋転勤、そして東京へ戻ってきて

名古屋転勤とそれにまつわる出来事も自分にとっての転機でした。

当時から石川社長は”女性に活躍の場を”とよく口にされていました。
女性ばかりが優遇されてるようで、どうして自分の評価が低いんだろうと不満に感じていました。

今になってみればわかるのですが、そのときは未熟で石川社長の考えが理解できず、「結果を出して大きな差をつけてやる」と意気込んで名古屋転勤の話に手を挙げました。

ところが時勢が良くありませんでした。
リーマンショックです。

PRDの中でも営業所の展開にまだまだ慣れておらず、支援もほとんど受けられませんでした。ゼロから、いやマイナスからのスタートでした。何をやっても上手くいかず、負のサイクルにおちいりました。
その結果、部下が何人も会社を辞めてしまい、石川社長からも毎日のように叱責されました。

最終的には撤収して東京に戻ってくることになりました。
引き継ぎなどの準備で東京に来ていたときのことです。

当時会社が入っていたイワモトビルの7階は人が泊まれるようになっていて、ホテルなんて取ってもらえるわけもなく、私もそこに泊まっていました。

私は自己反省しつつも何の支援もなく、約束が反故にされたこともあったりして、「辞めてやる」という気持ちでいました。

一人でテレビを見ていたとき、誰かが階段を登ってくる音がしました。

その人物が部屋に入ってくると

「いたのか」

と声をかけられました。石川社長です。

持っていた買い物袋を私の前にどさっと置きました。

その中に入っていたアイスを私に勧めつつ、

「お前、辞めるつもりだろ」と言いました。

隠すつもりもなかったので
「そうです」
と私。

「そうか」
社長は一言そういい、しばらく黙ったあと、こう問いました。

「ピーアール・デイリーの中で一番俺から降格と減給と言われたのは誰かわかるか?」

「斎藤さんでしょうか」

「斎藤が今どういうポジションにいる?」

「ピーアール・デイリーの社長です」

「そういうことだ」

そう言うと、社長は部屋を出ていきました。

それ以上の言葉は必要ありませんでした。

斎藤さんは石川社長がDACグループが倒産しかけた際に、社長を引き受けた際、泥舟から逃げるようにほとんどの社員が辞めていったなかで残った16人のうち一の人でした。

石川社長から大きな信頼を得ていて、今はお亡くなりになりましたが、当時のPRDの社長を任されている方でした。

この出来事は私にとって大きな転機でした。

社長は私が会社を辞めようとしていることを察し、私が泊まっているのを知らないフリをして、様子を見に来てくれたのだと思います。

ここまで来れたのはこのときの社長の一言が大きかったように思います。

人間はどんなに強くても一人では無理

その後も様々なことがありました。
摩擦を恐れないところがあると一番最初に書きましたが、そういう性格のせいでいろんな人と良く衝突をします。

そのせいでピンチに陥ったことも、社長から叱責されることもまだまだあります。

そんなとき支えてくれたのは部下たちでした。

社長に対しても恐れずに会議の場でも戦いを挑んでくれたりします。

「私が石崎さんを守ります!」
高木さんからそう言われたこともあります。あれには感動してしまいました。

伊藤君は「石崎さんが辞めるなら僕も辞めます」と言って何かというとよく泣きます(笑)。

どんなに辞めたくなったときも踏み止まれたのは、彼ら彼女らがいたからです。

人間ってどんなに強くても一人じゃ無理だなと実感します。

コロナの問題もあるし、価値観の変化という点からも、ここで書いたような「遅くまで仕事をして、そのあと飲みに行って、家に帰らずに出社して働く」といったようなコミュニケーションで信頼関係を築いていくということは、今後ますます難しくなっていくと思います。

しかし時代が変わっても、同じ会社で働く仲間どうし信頼し支え合える人間関係は力になると思いますし、安心感や充実感を持って働くというところに繋がると思います。

何より次の世代へつないでいきたいことですね。

その人間関係を、今の時代や価値観に合わせてどう築いていくかがこれからの課題ですね。

次回は・・・

「思い出リレー」のバトンですが、名古屋時代を一緒に過ごし、励まし合ったデイリー・インフォメーション専務の福井さんに渡したいと思います。福井さんも石川社長に結構激しく怒られていたこともあったので、その辺りの話がでたら面白いと思います(笑)。

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