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日常生活・職場から知るLGBTQ<1>

こんにちは。ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会(以下D&I委員会)の水谷(デイリー・インフォメーション)です。
1月になり、寒さがさらに増してきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、D&I委員会による【LGBTQ】についての連載も四回目となりました。
前回は「ライブ動画学習サービス“Schoo”から学ぶLGBTQ」をご紹介しましたが、今回は「仕事の場で知っておくべきLGBTQ」を紹介いたします。
職場での何気ない発言やふるまいについて、ご自身の日常を思い出しながら読んでみてください。


まず初めに・・・
アンコンシャス・バイアスという言葉をご存じですか?

アンコンシャス・バイアス(unconscious bias)とは、自分自身も気づけていない偏見や、ものの捉え方の歪みを指す英語(unconscious=無意識、bias=偏見)で、その人の先入観により、ものの見方が偏ってしまうことを表します。
アンコンシャス・バイアスは、日常のちょっとした言葉や行動に含まれるため、無意識のうちに誰かにストレスを与えてしまったり、ハラスメント行為に繋がったりするおそれがあります。

職場で特に見られるアンコンシャス・バイアス

☑雑用や飲み会の幹事は若手の仕事と決まっている
☑血液型で相手の性格を想像してしまう
☑高齢者はITリテラシーが高くない
☑定時で帰る社員は怠けていて、残業する社員は頑張っている
☑体育会系の部活に入っていたから、根性あるだろう
☑有名大学や大企業の出身者は優秀である
☑お茶出しは女性がやるものと決まっている

このような言動は、アンコンシャス・バイアスから起きている可能性があります。
自分の先入観や思い込み、勝手な解釈で無意識に発した言葉や態度が否定的なメッセージとなり、相手を傷つけたりストレスを与えることがあります。
自分が良かれと思ってした行動が、実は本人にとってそうではなかった、というケースもあるかもしれません。「自分にもアンコンシャス・バイアスがある」ということを意識し、行動することが大切です。

続いて、職場での日常会話編です。

①「彼氏/彼女いるの?作らないの?」発言

ハラスメント意識が高まり最近は減りましたが、過去にお昼の休憩時間、仕事後のお酒の席でこうした質問をした経験がある人は多いのではないでしょうか?
これは、女性ならば「男性」と、男性ならば「女性」と付き合うことが当然だという認識から生まれてしまう発言です。
そもそも、身体的性(出生時の身体的特徴から割り当てられる性)と性的指向(恋愛感情や性的欲望がどのような人に向くのか)は独立しています。この二つは常に相互作用するものではないので、分けて考えなければいけません。
つまり、たまたま異性に恋愛感情や性的欲望を抱く人がいるのと同じように、同性にその気持ちが向く人もいるということです。
異性愛を前提としたこの種の質問は、まだカミングアウトをしていない当事者にとっては非常に答えづらいものになります。その結果、当事者は自らを偽ることを強いられ、多くの当事者が気づかないうちに辛い思いをしています。

決めつけるのはNG

②「女/男らしくしなよ」発言

「女性らしさ」や「男性らしさ」はあくまで“社会”が割り当てた規範です。
その規範は、常にみんなが守らなければいけないものではなく、あくまで一つの目安に過ぎません。本来、個人の振る舞い方や服装に規則など存在せず、どんな服を着たいのか、どんな振る舞いをしたいのかはその人が決めることになります。
一人一人の価値観が違うように、百人いれば百通りの“こうしたい“があっていいのではないでしょうか。
「男らしく飲めよ!」や「女性らしくおしとやかにしなさい!」ではなく、
『自分らしく』、その人の”個性“を尊重することが大切です。

③「 相手のセクシュアリティを決めつけない」

①②のようなことが起きてしまうのは、「相手のセクシュアリティを決めつけてしまっている」ことが原因のひとつであると考えます。これも「アンコンシャス・バイアス」による先入観ですよね。
また、「女っぽいから実はゲイでしょ?」「男っぽいからレズビアンなんじゃないの?」など相手のセクシュアリティを詮索するような行為はもちろんNGです。たとえ相手が仲の良い同僚であっても、踏み込んだ質問は控えましょう。
カミングアウトしている人がいないからといって、その場にLGBTQの当事者がいないとは限りません。『身近にも当事者の人がいるかもしれない』という意識を持って発言を。

個性や特性は人それぞれ

◆最後に…

広告におけるジェンダー表現の動向 について、企業に求められること

①ジェンダーニュートラルな考え方を持つこと
性別にとらわれずに、ユーザーの多様な個性を尊重していく姿勢を持つことが重要とされます。性別に関係なく平等、公平で誰もが「ありのままの自分」で生きることができる居心地のよい社会をつくるには、中立的な考え方や取り組みが求められます。

②ガイドラインやチェック体制などの定期的な見直し
インターネット、SNSが普及する世の中では、国内外に情報の垣根がなくなっています。話題を集める広告は世界に知れ渡る可能性もあるため、世界基準を意識した取り組みが求められるようになると考えられます。

UN Women(国連女性機関)では、審査項目の中に以下の「3つのP」を設けています。

・多様な人々が含まれているか(Presence)
・男性と女性の視点を平等に取り上げているか(Perspective)
・人格や主体性がある存在として描かれているか(Personality)

「3つのP」などの指標に照らし合わせて自社広告を見直す、あるいはガイドラインを策定するなどの取り組みが、今後国内においてもより強く求められるようになることが想定されます。

LGBTQ当事者層の割合は9.7%とされ約10人に1人が該当するといわれております。

「いつも一緒にいる社員だから、何を話しても良い」というわけではなく、身近にいる人がLGBTQの可能性があることを念頭に置いて接する意識を持つことや、「自分には関係ない」と無関心でいるのではなく、性も個性の一つであり多様な形やグラデーションがあることを理解するところから始められたらと思います。

仕事編①はここまで。次回の「仕事の場で知っておくべきLGBTQ②」ではLGBTQ市場(マーケット)について紹介させて頂く予定です。


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