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不妊治療と仕事の両立プロジェクト〜関わり方やサポートはどうする?~

こんにちは。F LABOの石森です。
前回の記事はご覧いただけましたでしょうか?

今回は、実際に不妊治療を経験してはいないが、マネジメントの場面や周囲の仲間で治療をしている方がいる場合のサポート方法や関わり方などをご紹介したいと思います。
DACグループの社員の中で不妊治療を経験された方の声も参考にさせていただいておりますので、リアルな体験談をお読みいただければ幸いです。


さて、突然ですが・・部下から「不妊治療をはじめたんですけど・・・」と聞いた時、あなただったらどうしますか?

「え?!!不妊治療?!それはつらいねえ~。ちなみに、いつまでかかるの?仕事はできるの?!!チームメンバーにも知ってもらった方がいいと思うから、自分から言っておくね!!」
・・・こちらの回答には気を付けたほうが良い点が3点あります。みなさんはどこか分かりますか?

1つ目は、「話してくれたことへの感謝を第一に伝えること」です。
まずは部下から「不妊治療を始めた」と聞いたら、「そのような大切なことを話してくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。不妊治療を実施している方の中には、さまざまな思いで治療に取り組んでいる方もいます。
例えば、

・治療中であることを話したら「上司や同僚にどう思われるだろう?」と不安に思っている方
・子供がどうしても欲しくて長年治療を続けてきたが、なかなか授からず通っている病院からも今年がラストのチャンスですと言われてプレッシャーを感じている方
・パートナーの協力や理解がなかなか得られず、一人で抱え込んでいる方

など。

そのため、心配なく相談できる環境を整えることが重要です。
これは不妊治療に限らず、どんなことでも同じように言えると思いますが、日頃から関係性の構築が、治療と仕事を両立する上での心理的安全性につながります。

「話してくれてありがとう」の気持ちから

2つ目は「チームメンバーにも知ってもらった方がいいと思うから、自分から言っておくね!!」です。
安心して話せる環境を作るためには、部下からの話を他の人に漏らさないよう徹底することが必要です。本人の許可なく他の人に共有することは避けましょう。

3つ目は「それはつらいね~」です。
治療を経験していない立場の人には、不妊治療がどのようなものか想像がつかないことも多いです。当事者の心理状態は、本人にしか分からないことがあるからこそ、思い込みや憶測で考えたり、決めつけたり、前例に当てはめたりせず、不妊のことについての正しい知識をもち、目の前にいる部下の話をじっくり聞き、気持ちに寄り添うことが大切だと思います。

例えば、厚生労働省の調査では仕事と不妊治療の両立状況 について、このような結果が出ています。

仕事と不妊治療の両立について(2023年・厚労省)

不妊治療をしたことがある(または予定している)労働者の中で、「仕事と両立している(していた)」とした人の割合は55.3%となっています。
一方、「仕事との両立ができなかった(できない)」とした人の割合は、26.1%を占め、4人に1人以上となっています。
安心して長く働き続けるため、不妊治療を受けながらも就業を継続できる環境整備が企業に求められてることがわかります。

治療との両立においては実際に、どのような治療をしていて、いつ、どのくらい休みが必要なのか。どのくらいであれば働くことができるのか。部下は、仕事と治療を両立するためにどのようなことに取り組みたいのかを明確に聞き、それに基づいて必要な調整を行い、治療と業務を両立させ、業務が円滑に回るように必要なサポートを提供することと、本人の人生がより豊かになるように支援していくことが大切です。


不妊治療をしているかどうかは、一見しただけではわかりません。
自分には関係のないことだと感じていても、実は身近にサポートを必要とする同僚や部下がいるかもしれない。という気持ちをもって一人一人が日ごろから心がけて環境づくりに努めましょう。

上司のサポートが、誰もが安心して働ける職場をつくる一歩になります


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